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ぐ~たらオタクの似非考察日記

アニメ・マンガ・ゲーム・ライトノベルについて考察するブログです。

ライトノベルのネガティブイメージとそのデメリットについて

ライトノベル

念のため言っておくが今回はライトノベルに実態として果たしてどういった小説があるのかという部分を詳細に論じることはない。
本記事で取り上げるのは現状のライトノベル界隈に渦巻くネガティブなイメージ。
そして、それによるデメリットに関して述べる。

まずその前に前提として、ここで扱うライトノベルは以下のような物であるとしておく。

・いわゆるライトノベルを扱うレーベルから出版されているもの
・キャラノベやライト文芸と呼ばれるもの
・なろう等に代表されるWeb小説
・人によっては少女小説と呼ぶがライトノベル界隈からライトノベルと言われやすいもの(コバルト文庫十二国記など)

ライトノベル」に対する現状のイメージについて

まず、ライトノベルに対する世間的イメージだが、はっきり言ってしまと惨憺たる有様である。

・低レベルな文章力
・テンプレートにまみれた物語展開
・少年少女向けにあるまじきエロさ
・市場規模が縮小している
ラノベアニメはつまらない
・下劣な作者
etc...

挙げれば切りがない。
もちろん、そもそも文章力とはなんなのか、エロ描写のなにがどう悪いのか、あるいはそもそもそんなにエロイのか
といった反論も存在する。

しかし、今回はその点については一旦置いておく。
今回問題としているのはライトノベルの実態や表現形式に関する部分ではなくあくまで「ライトノベルがどのように捉えられているか」だからだ。

このライトノベルに対するネガティブイメージというのは一部の識者に留まるようなものではない。
はてなに限らず、Twitter2chまとめサイトなどかなり広範囲に渡っている。
2chまとめサイト等の低俗メディアなど無視すればよいという考えもあろうが正直影響は無視できないレベルで広まっている。

大衆小説ファンや、アニメファンや一部批評家、また後ほど述べるが同じライトノベル読者までこういったネガティブなイメージを持っていることは少なくない。
もはや四面楚歌状態だ。

まず、このライトノベルに対する現状のイメージについては異論のある人は少ないだろう。
その上でこのネガティブイメージがライトノベル界隈に対して何をもたらしているのかという点を見ていきたい。

ネガティブなイメージが何をもたらしうるのか

上記でライトノベルに対するネガティブイメージについて述べたが、次にそのイメージが何をもたらしうるのか考えていきたい。

1.ライトノベルの新規読者の減少
 こういったネガティブなイメージが蔓延してしまえば当然新規読者が減ってしまうことが考えられる。

2.有名作品以外が取り上げられることが少なくなる
 ネガティブイメージに対抗できうるほどの人気を取得したもののみが取り上げられ他の作品はエロやテンプレートに塗れた作品として見捨てられてしまう。
 人気作であればファンによる数の論理によって
 「どのような作品なのか?」
 という点を伝えることができるがそれ以外の作品はどんな内容だろうと一様に典型的なライトノベルのイメージで切り捨てられてしまう。
 注目されないどころか積極的に倦厭され、作品に多大な不利益を生じさせる。

3.ライトノベル作者への低評価
 ネガティブなイメージが作家への評価を落とすということが考えられる。
 特にこういったネガティブな空気が蔓延してしまうとネット上では叩く事に抵抗感が減ってしまい容易に人格批判までされてしまうことも多い。
 その結果が売上に関係してくることも可能性としてはありうる。

4.作家やレーベルがライトノベルを倦厭し始める
 かなり深刻な事態だが作家やレーベルがライトノベルというラベリングを倦厭し始めている事象がある。
 つまり、ライトノベルという肩書きだと自らの評価も下がるし、売上にも影響しかねないので名乗りたがらないという現象が発生する。

特に4番目の影響がでかくなり始めている。
現状「この作品はライトノベル(のような低俗な)作品とは違う」という発言が出始める事態になってしまっている。
ライトノベルの境界線上に存在するような作品の作家や読者もしばしば同じような発言をしたり、またライトノベルに近づきたくないという雰囲気を漂わせる人もいる。
もちろん、全ての人がそういうわけではないが。

また、ライトノベル読者が自らの好む作品をあえて「ライトノベル」から除外し
「そんじょそこらのライトノベルとは違う」
といった発言をするのもこの流れからだろう。

いわゆる作家志望者が自らの好きな作品を持ち上げる際に使われるため、そのワナビの心性が良くないという形で述べることもできるだろうが、正直なところ人格面に対して突っ込みを入れてもあまり意味がないように感じられる*1
何時の時代もそういった人間は一定数いるものだ。
問題はそういった言説を発言しても非難がわきづらいというその現状に存在する。

これはつまり多数の人間がライトノベルとは低俗であり評価に値するものではないと思っているということだからだ。
こんな有様では新規参入者に優しいとはいえないだろう。
誰が読者になった途端に叩かれる娯楽本を読みたがるのたがるのだろうか。

漫画を評価する際に漫画ファンが「文学的だ」と評価しても「漫画とは違う」とは言わないだろう*2
あくまで「文学的で、更に漫画」であるからだ。
これは既に漫画に対してのポジティブイメージが世間的に形成されているからだ。
ところがライトノベルに関しては「文学的だ、つまりライトノベルではない」と言ったニュアンスの言説がまかり通ってしまっている。

個人的な感情から言えばこの現象は不愉快極まりない。
しかし、同時になぜ一部の作者や読者やレーベルがこのような態度をとらざるを得ないのかと考えると気持ちとしてはわからなくもない部分もある。
現状では堂々とライトノベル作家・読者を名乗ることはあまりにもデメリットが多すぎる。
意識的か無意識的かはわからないが、一種の防衛反応といってもいいだろう。

また、マーケティング上の観点からもライトノベルと呼ばれてしまった場合そのネガティブイメージから悪影響が発生しかねない。
ここのところ乱立している新規レーベル立ち上げの際の執筆人を見ると多数がライトノベルを書いたことがある、あるいは現役ライトノベル作家であったりする。
しかし、その多くが既存のライトノベルイメージとは違うものをぶち上げようとしているのが見て取れる。

現状の売り方と違う売り方をしたいというビジネス上の欲求は理解できる。
ライトノベルという存在そのものが少年少女向けというイメージが強いために違ったターゲットに向けて売りたいということだろう。
実際MW文庫におけるビブリア古書堂の事件手帳などは成功を収めていると言っていい。

もちろんライトノベル等という名称など捨て去ってしまえばいい、という意見もあるだろう。
しかし、それは今までに生まれた過去の遺産を全て丸ごとゴミ箱に捨てるようなものだ。
また、現実的に考えて幾ら他レーベルを立ち上げようとここまででかくなったライトノベルの概念そのものが消え去ることは考えずらい。
捨て去ろうと思っても、世間の空気がそれを許さず逃げ遅れたもの達が規模を縮小して変わらず叩かれ続けることになる。

上記のようなここ最近のライトノベル関係の動きを見ていると
ライトノベルの概念を拡張する勢力」と「ライトノベルの概念を拒否する勢力」の完全なせめぎ合いだ。
商売上は対象年齢が微妙に違うために良い効果を生み出す可能性も高いが、ライトノベルの概念を拡張する側と拒否する側の勢力争いになっているように見える。

しかし、現状がこのまま続くとすると今以上にライトノベルを腐す発言が増大してしまう。
下手するとレーベル間内紛が勃発し、今以上にライトノベル界隈が厄介なものであるというイメージが植えつけられかねない*3

とはいえ、ライトノベル全体が過渡期、移転期に差し掛かり始めているようにも見える。
Web小説の隆盛や概念の拡張がこのままいくと外縁部が大衆小説と合流し境界がますます曖昧になっていくかもしれない。
流れを見てるとノベルの多かった時代に戻るだけなのかもしれませんが・・・

*1:まったく意味がないわけではないと思う

*2:いや、言う人もいるっちゃいると思いますけど

*3:既に最低とか言わない