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ぐ~たらオタクの似非考察日記

アニメ・マンガ・ゲーム・ライトノベルについて考察するブログです。

ライトノベルが馬鹿にされがちな理由 -馬鹿にされる構造と問題点-

アニメ ライトノベル 漫画


ライトノベルが馬鹿にされがちな三つの理由 - WINDBIRD

 

さて、上記の記事読んで色々と考えさせられることも多く、記事にしてみたい衝動に駆られたため私も書いてみる。

現在、馬鹿にされているライトノベル最右翼である「魔法科高校の劣等生」のファンでもあるため以前から幾つか考察してきたことがある。本記事ではそういった内容も踏まえて語っていく。

ライトノベルの問題点を含む話でもあるので現時点での私の考えを残す意味でも書き記しておく。

 

1.現状は?

さて、この問題*1を語る上では、まず現状を把握しなければなかなか正確な内容をつかむことが難しいと考えた。

まずそもそも馬鹿にされているのか?という点は以下のラノベ天狗*2のブクマを見ると多数存在するのが解る。

srpgloveのはてなブックマーク

 

またそもそもどのように馬鹿にされているのだろうかという点について考えておきたい。

 

Google検索、Twitter検索、はてなでの検索。をしてみた。

ライトノベルが馬鹿にされている意見はいくつかあげることが出来る。

 

・ハーレム物が多いこと

・文章力がひどい

・イラストがキモい(特に表紙)

 

以前このような記事も書いた。

魔法科高校の劣等生に関する批判コメントの異常性 - ぐ~たらオタクの似非考察日記

 

ライトノベルの侮蔑の方法にはいくつかトレンドがありそれらが緩やかに代替わりしながらここまで来た。

 

ハルヒのブームが落ち着いたあたりによく言われていたのは会話文が多すぎて変。台本のようである。周りくどい。

といったような内容が多かった。

他にもハーレム作品が多すぎる、その次辺りに多かったのは文章力に関しての批判である。

ただし、この辺の文章力云々も

 

一般文芸で文体がひどいもの、前衛的であるものををライトノベルとして紹介する

→馬鹿にされる

→後出しで実はこれライトノベルじゃないよと言う。

 

というある種の攻撃方法が確立されて落ち着いた*3

最近のライトノベル批判として多いものが自己投影批判である。

俺TUEEEE作品が増加したあたりから使われ始め、作者や読者が強キャラである主人公に自分を重ね悦に浸っているさまが気持ち悪いという内容だ。

上記の様な批判意見がライトノベル界隈では多く見られ、長いことライトノベルを読んでいたり、ネットを見ている方ならおおよそ理解できる印象だろう。

 

さて、以上のような批判内容を踏まえた上で、ライトノベルが馬鹿にされる理由を構造面から考えていきたい。

一つ一つ批判意見を吟味していくことも出来るとは思うが問題点の根本原因はそこには存在せず、後付にすぎないのではないかと考えたからだ。

 

2.マルチメディア化のメリットと弊害

ライトノベルを語る上で欠かせないもののひとつにマルチメディア化というものが存在する。

ライトノベルの意外にも漫画化やアニメ化等多方面に展開し宣伝を兼ねながら読者を増やしていく手法である。

近年のライトノベルこの手法が多用され、電撃文庫等の人気レーベルはもちろん、MF文庫などのレーベルも最近では多い。

ただし、この方法は問題点が存在し、アニメ化や漫画化に失敗した場合原作にまで被害が及んでしまうというデメリットが存在する。

文章だけのライトノベルに比べるとアニメや漫画はひと目で解るため説明しやすいので作品を貶める際に多用される。

 

アニメが糞→きっと原作も糞に違いない

 

という図式が容易に成り立ちやすいという状態である。

ただし、この点はアニメ側だけが悪いというわけではなく、もちろん原作が悪いという場合も存在するし、アニメ化する弾がないアニメ会社からと原作を売り出したい出版社側とのある種Win-Winの関係が成り立っていることを考えると一概にどちらが悪いとはいえない。

 

ただ、一つ危惧していることがあり、電撃文庫はアニメ化に関して非常に慎重である反面、最近アニメ化を押し出しているMF文庫Jの戦略が若干ライトノベル業界全体に負の作用を引き起こしている点は懸念している。

売れる前の原作を強引にアニメ化することで結果としてアタリショック*4の様な現象を引起しかねないのではないかということだ。

実際、俺ツイや魔法戦争など、アニメ会社側も準備が明らかに不十分であり作画面での品質の劣化や演出面での不自然さを露呈してしまった作品がいくつかあるように思う。

 

3.サンドバックとしてのライトノベル

攻撃的な内容になってしまうがはっきり言ってしまうとライトノベルが批判される理由というのが、只の都合のいいサンドバックであるからだ。

まずそもそも、漫画やアニメに比べるとライトノベルは読者が少ない。

今や大人ですら堂々と電車の中で読むようになった漫画や、電波を使って無料で放送できるアニメに比べるとライトノベルというのは勢力として恐ろしく弱い。

これはある作品を作った際にどのように作用するかというと、ライトノベルにとって非常にネガティブな反応を生み出す。

例えばあるアニメの評判が悪い際にアニメを制作したアニメ会社、あるいはマルチメディアの際の漫画化が良くなかった際に勢力が弱いライトノベルが批判を躱す都合の良い道具として使われてしまうのである。

 

アニメが糞→アニメ会社は悪くない→原作が悪い(ライトノベルは読者が少ないため反論が起きにくい状態になる)

 

この現象は色んなライトノベルで頻繁に見られ知名度の低いライトノベルほど多用される傾向にある。反面、ライトノベルでも非常に人気のある作品は読者からの反論がかなり多くなるため評価が拮抗する場面が多くなる。

顕著なのがSAO*5であり、アンチも多い反面信者が多数いるため俺TUEEEEでありながら評価がそこまで落ちなかった。

普段ライトノベルが叩かれている為流れで叩かれるが、信者が想定以上に多いため反発が凄まじいことになり攻撃的になるという現象も引き起こすが。

 

4.不明確で曖昧なライトノベルというジャンル

ライトノベルが馬鹿にされがちな三つの理由 - WINDBIRD

の中で「「アニメ」という小さな窓越しに森を眺めている人たちのほうが遥かに多い」という言及がある。

この言及は非常にわかりやすい。

ただ、この問題は実は「アニメ」側に限ったことではない。

 

 ライトノベルにはかなり多数の作品が存在する。

それこそ系統をたどると児童文学、SF、ミステリ、ラブコメ、純愛、パロディ、サスペンス、ホラー、少年漫画的バトル物、それら全ての複合。

といったように非常に多数のジャンルが混在している。ライトノベル識者ですら全体を把握することが難しい。

文章力云々も非常に高度な技法を用いたものもあれば純文学のように異化表現を多用するものすらある。逆にケータイ小説や漫画並みに文章量が少なかったりするものもある。

ある種カオスのようになっており、ライトノベルにどのような作品が存在するのかなどの全体がほとんど見えない状態になっている。

 

問題はこのような状況が何を生み出すのかという点にある。

1で述べたようなライトノベルが叩かれているという現状は存在する。

そしてその時に何が起こるかというと、

 

「人は見たいものしか見ない」

 

ということである。

つまり、全体像が知られておらず誰もわからないライトノベルの中から都合の良い部分のみを取り上げ自論の補強に使うということである。

これをされてしまった場合ライトノベル側には実は現時点で反論する方法が存在しない。

確かな資料が存在せず明確な反論が出来ないからだ。

こちら側も都合の良い作品を取り上げ

 

「こういう作品もあるよ。」

 

という非常に不明確で曖昧な手法による反論しか出来ない。

この展開に陥った場合、水掛け論になってしまい勢力の大きいアニメや漫画側が勝利してしまうのはある種当然である。

マイノリティが多数からの賛同を得るためには明確な証拠やデータ等を使用し、自らの意見を補強しなければならない。

しかしながら現在のライトノベル業界ではそのような事を行うということがむずかしい。誰にも全体は把握できていないからだ。

恐らく出版社や編集者ですら全容を把握していない。ライトノベルの研究者等というものは殆ど存在しないと言っていいだろう*6

 

5.まとめ

本記事ではライトノベルが叩かれているという現状と、なぜ叩かれるのかという構造的な問題点を上げた。

 

①マルチメディア

②勢力の弱さ

③不明確なジャンル定義

 

を挙げさせて頂いた。

 

現状でははっきり言うとライトノベルは叩かれやすい存在である。

しかし、最近のライトノベルに対する見解を見ているとある種の希望もあるとは見ている。

どうもライトノベルの読者が大人になり始め、更に人気作品が増え始め勢力を拡大しつつある様に見えるのだ。つまりある程度しっかりした反論が増大する可能性がある。

キャラノベ*7と呼ばれるボーダー的な小説等に元ライトノベル作家が増え始めたり、また一昔まえと違い境界を超えたきりライトノベルに絶対戻ってこないということもなくなってきた。

この現象が拡大した際に読者層がドンドン広がり勢力が広まることが考えられる。

そうなることを祈るばかりである*8

*1:ライトノベルが馬鹿にされる論。どうでもいいが論、論考えてたら甘ブリのマスコットキャラ思いだした。

*2:上から目線でラノベを馬鹿にするTwitterや記事を集めている人らしい

*3:この辺のやりとりも如何にライトノベル界隈が殺伐としていたか解る。ただ、実際の文章を上げる方法は多少落ち着いたがイメージ論は未だに存在する。

*4:ゲーム会社アタリがバグだらけのゲームなどの粗製乱造を繰り返した結果、ゲーム業界そのものがそっぽを向かれてしまったという歴史が存在する。ゲーム業界が本格的に復活するのはその後の任天堂コナミ等の日本のゲーム会社の出現を待たなければならなくなってしまった。

*5:ソードアート・オンライン。発行部数1670万部の大人気作品

*6:実際には一部存在するが極一部である。

*7:マンガのような主人公が活躍、「キャラノベ」が人気のワケ :日本経済新聞

*8:まぁ、ライトノベルから離反していく可能性もまだまだあるんだけどね。他にも融合してライトノベルというジャンルそのものが薄くなる可能性もあるし。つまり一般文芸に良質なライトノベルを吸収されてしまう。