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ぐ~たらオタクの似非考察日記

アニメ・マンガ・ゲーム・ライトノベルについて考察するブログです。

「君の名は。」の性的シーン等についての考察

まとまりがない
http://togetter.com/li/1029154

1.君の名はの性的だったりフェチズム的なシーンについて

実はもともと新海監督の作品は性的な描写をすることが非常に少ない監督です。
秒速5センチメートルなんかは顕著ですけど、恋愛を描いた映画でもあるにもかかわらず性的描写が異様に少なく、あったとしてなんか淡白なのは見ていただけるとわかると思います。
例えば秒速5センチメートルは恋愛を描いた映画であるにもかかわらず、男性目線からのモノローグが異常に多く更にエロティックな描写を異常に少なく描き、男性の自己憐憫や失恋を性欲0でピュアで純粋で美しいものであるかのように描いてしまったせいで童貞野郎のオナニーなんて揶揄されるレベルの映画だったわけです*1

新海監督がどういう意味合いで作品をそう描いていたのかはわかりません。
いわゆるキャラクターアニメーションが苦手でスタッフも少なかったのでそのような芝居を出来る余地がなかったかもしれないですし思春期の人向けに作っていたとおっしゃっているのであえて省いていたのかもしれません*2
あるいは単純に美しく描きたかったのだと明確な意図があったのかもしれません*3

ところがこれが変わる転機になったであろう作品が言の葉の庭です。
この作品では明確に女性に関するフェティシズムが見て取れます。
特に雪野の足をタカオが測るシーンは作品のハイライトと言ってもいいほどで、ネット上の感想を見て回るとわかりますが滅茶苦茶エロイという感想が多かったようです*4
で、あるにもかかわらず下品ではなくまるで崇高でさえあるかのような描き方をするためになんか良くわからんけど凄い評判良かったんですよね。監督も足を合法的に触るのに不自然じゃない設定として主人公を靴職人を目指す少年にしたとか言ってるわけですよ。

おそらく、ここで明確に意識したのがもうちょいエロとかフェチズムを入れてもいいんじゃないのか?
っていう部分だと思います。
これが君の名はの性的なシーンは観客受けするために入れたであろうシーンだと思う根拠なわけです。
つまり意外と一般的な日本人はオタクが思っているより(思春期の男女含めて)性に関するシーンに寛容ではないのかということです。

この点が恋愛に関してプラトニックな関係を望む人には受け入れずらいという点なんだと思います。
安易なジェンダー論で括りたくないので、そう思うのは男性であるとか女性であるとかいうつもりはありません。
恐らく男女双方共に一定数はいると思われます。
特に性に関する部分はセンシティブでもあるので少し「うっ」と思ってしまうのはおかしいことではないとは思います。
しかし、この性的描写をオタク男性的であるとするのは少し視野が狭いのではないかなと思う次第です。

もっとエロって恋愛感情とは分かちがたいものであるという視点もあってしかるべきだと思うんですよね。
そういう意味では「君の名は。」はかなり踏み込んでいる気はします。
瀧君が三葉の胸に触る部分も三葉に好意を抱く一つの要素であると解釈できるように作っているのはティーンエイジャー向けのアニメ映画としてはかなり突っ込んでいる。

口噛み酒自体は新海監督がインタビューで自分のフェチズムから発露したものであるといっていますが
巫女の作ったもので宗教的な伝統品であり物語の明確なキーになっていると言うように恐ろしくその辺に気を使ってるのがわかります。
なんかエロイのに神聖なアイテムだからキモさを感じづらいというように観客を誘導してるんですね。
糸守のチンピラ同級生に口噛み酒を批判させたのはそういう意図だと思います。
その辺にちょっと違和感を感じる人はいるかもしれませんね。
でもメタ視点で見すぎだと思います。

2.四葉が姉に口噛み酒販売を進めるシーンについて

あれは姉と妹の関係性、姉の他者からの視線に関する認識や思考、また妹の他者からの視線に関する認識や思考について視聴者が図る上で重要なシーンです。
映画の小物を観ているとわかりますが、実は妹は小学生向けのファッション雑誌を読んでいるのがわかります*5
小説版でも描かれていますが性に関する視線について姉に対して非常に開放的で重みを感じていないのがわかります。
一方で三葉は女系一家の長女であるという立場上周囲の視線を意識せざるをえません。
性的であるかどうかに関わらず非常に抑圧的な環境下で生きているわけです*6

これが妹が口噛み酒販売を提案しながら姉は照れて斜め上のずれた回答をする理由です。
つまりまじめに回答するのが恥ずかしいので酒税法で逃げたわけです。
だから強烈な地元の縁故による人間関係とジェンダー的支配から逃れるために「来世は東京のイケメン男子にしてください」というわけですね。

妹がなぜあのような発言をしてしまえるのかや、姉がなぜずれた回答をするのかなどエクスキューズをわざわざ用意してくれてるわけです。そこをすっ飛ばしていきなり新海監督のパーソナルな部分に踏み込んで考えるのはちょっと飛躍しすぎだと思います。
あのシーンは三葉が町内でどのような立ち位置にいるのかを考える上で重要なシーンだと思うのでバックにいる新海さんを意識しすぎるとちょっと見方がずれてしまうような気がします。

*1:いや、大好きですよ

*2:村上春樹に影響を受けたと言っておきながらここまで性的描写に淡白なのはちょっと驚きでもあります。

*3:その可能性高そう

*4:あとベッドにねっころがるシーン

*5:部屋の中に雑誌が転がってるシーンが確かあったはず

*6:それを瀧がぶっ壊すので困惑しつつもある意味好意を抱くわけですが