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ぐ~たらオタクの似非考察日記

アニメ・マンガ・ゲーム・ライトノベルについて考察するブログです。

日本のコンテンツ市場のガラパゴス化と企業のグローバル化がもたらす、ある結末について

togetter.com
こんなToggterまとめがあった。

内容はまぁタイトルそのままで、ゲーム業界が衰退したであろう理由をいくつか取り上げる。
というものだった。

とはいえ個人的にはそもそも「日本のゲーム業界」が衰退しているとは決して思わない。
スマホを主なプラットフォームとするソーシャルゲームの市場規模8000億円はかつてないほどの規模だといえるし、
SONYのPS4は世界規模で爆発的な売上を見せており、歴史上最速のペースで普及しているコンシューマーゲーム機と言われている。
任天堂WiiUは不調といわれているもののニンテンドー3DSの販売台数をみると決して悪い数字ではない。

しかし、日本の一部ゲームユーザーの間で毎度のごとく「日本のゲーム業界は衰退した。」と言われる。
MGS5であれだけ散々にこき下ろされたKONAMIも絶好調だったりするのにだ。

この意見の裏を汲み取ると言いたい事は容易にわかる。
つまり1990年代*1~2000年代前半に存在したようなコンシューマー全盛期の勢いがない。
といいたいのだ。

ファミコンスーパーファミコン、PS1・2の時代の作品群は今なお彼らに強烈な印象を残しており悪く言えば懐古厨。
ただ、気持ちで言うならばその感覚はわからなくもない。

これらの作品群は2000年代後半からの開発費用の高騰化、ソーシャルゲームの台頭等によって徐々に姿を消してしまった。
もちろん全てが消えてしまったわけではないが、明らかに数を減らしたのは事実だ。

そして上記のような理由を元に結果として、日本のゲーム市場は世界の市場から孤立したガラパゴスと化してしまった。
もちろん「ガラパゴス化」の原義から考えると悪い側面もあるかもしれないが良い側面もあるとはいえる。
良い側面の一つがソーシャルゲームの市場規模の拡大だろう。
8000億円という市場規模はかつてない規模であり、まさにバブル状態だ。
新興のベンチャー企業も存在するものの、大手ゲーム企業も遅ればせながら参画しており、その成果はKONAMIの好調に代表されるとおりだ。
この状況は決してゲーム産業が衰退したわけではないことを如実にあらわしている。

しかし、このスマホゲー好況は一方でコンシューマゲームの衰退を促してしまう。
2015年のコンシューマー市場規模は少なくとも2000年以降最低であり、どんどん縮小してしまっている。

その結果なにが起きてしまっているのかというと、洋ゲーの躍進である。
日本のゲーム企業がスマホに続々と参入する中で、海外のゲーム産業はその市場規模を背景に強烈な大作ゲームを次々開発。
いずれ開発費が高騰しすぎて、日本と同じようにつぶれる会社が増える、等といわれていたが開発費の高騰に合わせて海外は市場規模もどんどん拡大。客層がどんどん増えて金をかけた大作ゲーはますます、大作ゲーになっていく。
世界規模で見たゲーム業界はレッドーオーシャンなどではなく、未だブルーオーシャンだったのだ。
もちろん、ゲーム業界が基本的に厳しい業界であるというのは論を待たず、海外でだってつぶれている会社はたくさんある。
けど、それ以上のペースで新興企業が興ったり、激しい流動化が行われている。

この先どこかで行き詰ることはあるかもしれない。
しかし、その時日本のゲーム会社がついていけるのはごく一部に過ぎないだろう。
とはいえ、一国の産業が全世界と比較されてしまうというの少々厳しい話ではある。
過去の栄光を思い出さなければだが・・・

つまるところ、「日本のゲーム産業は衰退した」と言っているのは、ファミコンスーパーファミコンに存在した過去に存在したアクションゲームや日本製RPG等の雑多なゲーム群。
奇抜な発想でわれわれを驚かせてくれた、PS1の時代のような作品群。
そういった日本製のコンシューマーゲームの縮小についてのことだといえる。

彼らはソシャゲーは決してゲームだとは認めないだろう。
個人的にも気持ちはわからなくもないのだ。
ガチャに代表される課金手法は決して褒められたものではないし、あれほど操作性のわるいスマホタブレットで操作するゲームが既存のコンシューマにおける複雑なゲーム体系を容易に実装できるとは思わない。
極私的なことを言えば、スマホゲーが隆盛するより既存のコンシューマーゲームにどんどん費用を投資して「俺」を満足させて欲しいという思いはある。
しかし、当然企業は儲かるほうに行くのが世の常だ。
個人がどういったってどうにもならない問題なのだ。

そしてそこで私がこの飢餓感を充足させる方法を唯一見つけたのが、Steamに代表されるPCゲームとPS4で発売される洋ゲー群だった。洋ゲーでも良い作品あるじゃん!というのは私にはうれしい悲鳴だった。
もちろんおま国*2のような理不尽さを感じるときもなくはないのだが。

ところが、この洋ゲー群にも適応できない人たちがいる。
そもそもPCでゲームをやる文化のない人たちや、洋ゲー全体に漂うFPS等の銃でドンパチするイメージからの忌避感など
様々な理由でこういったゲームをする気になれない人達がいる。
もちろん彼らが悪いわけではない。

ただ単に趣味趣向が合わないだけの話だ。
その結果、彼らはゲームから卒業した。

と、ここまでが大まかな日本のゲーム産業の概要と言ったところになる。
個人的にはゲハやそれにまつわるカイガイ病その他の話もしたいところだが、いかんせんあの界隈は複雑すぎる。
しかし、かなり強烈な影響力を持っており明らかに日本のゲーム産業に影響を与えたと思うのだが・・・

さて、話は変わるのだが一つこの状況に関連して最近考えることがある。
これはゲーム産業だけではなく、将来的にアニメーション産業においても起きうるのではないか?
と考えていることなのだが・・・

日本市場のガラパゴス化と日本企業のグローバル化がもたらす結果について

日本のソーシャルゲームの隆盛と、コンシューマの衰退についてお話しした。

しかし、徐々に数を減らしていっているものの、まだまだ頑張っている大手ゲーム会社はある。
スクウェア・エニックスカプコン等など未だAAAクラスの大作ゲーを作っている会社はある。
是非とも頑張ってほしいところだが、これらの企業において最近ある傾向が見られる。

それは日本をマーケティングの主要ターゲットにしていない。
ということだ。
より正確に言うならば優先度を少々下げられたと言ったほうがいいだろうか。

世界の中でPS4が日本最遅で発売されたことは記憶に新しいと思う*3
そしてその傾向が日本のコンシューマソフトにも見られるようになってきた。

FF15の3/31に行われる発表会は日本ではなくアメリカのロサンゼルスで行われるのだ。
更にFF15オープンワールド化したのはどう考えても日本人にとってどうかというより、世界規模で見たときAAAクラスのRPGは軒並みオープンワールド化しておりそういった流れにあわせたということだろう*4

ソフトメーカーが海外市場を目指し始めたということだ。
それはつまり、日本人が好むゲームから徐々に外れていくということを意味している。
日本のゲームメーカーなのに当の日本人はあまり好きではないコンテンツをどんどん作っていくということだ。
もちろん単純に海外向けゲームを造っているわけではない。
PS3時代に無理に海外市場向けの作品を作ろうとした結果ゲーム業界は惨憺たる有様になってしまった苦い記憶がある。
その反省を踏まえて、日本らしさを残しつつもシステムやUI等の部分を欧米から吸収し売り込もうという流れが見える。
上記で挙げたFF15オープンワールド化がその筆頭だ。
FROM SOFTWAREのソウルシリーズも最初期はともかく最早日本人が主要ターゲットではない。
日本をないがしろにしているというわけではなく、あれほどダークでグロテスクな世界観のゲームが日本ではメジャーだとはとてもいえないだろう。
どう考えても海外の文脈もふんだんに取り込んでいる。
だからといって、日本らしさがないかといえば全くそうではない。
どちらも日本のゲームらしさと海外のゲームらしさを両立させている。
それが前世代の海外展開の失敗から見出した唯一つの日本のソフトメーカーの生きる道だったのだ。

しかしこれは日本のゲームに慣れきった日本のゲーマーに強烈な拒否反応を引き起こしてもいる。
FF15は知ってのとおりキャラ・ストーリー・オープンワールドに対する拒否反応を引き起こしているし、
ソウルシリーズのダークさとその難易度がそれほど難しいゲームを好まない日本のユーザーにいい印象は決して与えないだろう。

ここから日本のコンテンツ業界がもし、グローバルな市場を狙って成長を目指すとしたらある恐ろしい結末を想像してしまう。
それは日本人がガラパゴスであるがゆえに、日本人は無視されるということだ。

散々日本のコンテンツが特殊だ、唯一だ。
それがいいことなんだ。
といって、海外にも売り込もうという気運が出てきている。

その最たる例がアニメーションだろう。
ところが、日本人の好むアニメと欧州人の好むアニメと米人の好むアニメは違う。
また、中国人の好むアニメも違う。

しかし欧米である程度の共通点はあるし、中国は当たればでかい。
日本で近年ヒットしてるアニメといえばアイドル物が筆頭として上げられる。
しかし、欧米ではそこまで人気はない。
ヒーロー物のワンパンマンが人気だったり、SFアニメが人気だったりする。
そしてもし、海外の市場が日本よりでかくなった未来が来てしまったとする。

その時日本のアニメ産業は主要ターゲットを海外に移し、日本人の好きなアニメは優先度が下がっていく。
必然的費用もかけられなくなる。
日本では視聴者も多く、円盤も売れ配信サイトでも人気があるはずのアニメが海外で人気があるアニメに作画で劣り、費用もかかっていないことがありありと見えてしまう。そんなアニメだ。
その時、我々はその状況に耐えられるのだろうか?*5

*1:正確には1980年代も含む

*2:主にオンライン販売されているゲームなどにおいて、グローバルで発売しているが国別で状況が異なり、日本では買えない状態を表したネットスラング。「お前の国には売ってやんねーよ」等の略語

*3:と、思ったけどもう結構前だよね

*4:日本人だけが体験版アンケートで「なにをしていいかわからない」という項目が突出していたことからも日本人には合わないゲームスタイルとは言えるだろう

*5:大げさ過ぎか?w