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ぐ~たらオタクの似非考察日記

アニメ・マンガ・ゲーム・ライトノベルについて考察するブログです。

円盤を売るために値段を安くするという案の難しさ

よく、アニメ業界の現状を変えるために「円盤の値段をもっと安くするべきだ」という意見がある。

確かにアニメのDVD/BDの値段は正直高すぎる。
洋画のBDの値段は安い奴は2000円。
DVDなんかはヘタしたら1000円位だ。

それに対してアニメの円盤は7000~8000円。
ヘタしたら1万超えだ。
高い。高すぎる。シリーズを揃えようとしたら5万円以上かかったりする。
こんなんじゃとてもじゃないが買う気にはなれない。
精々安くなった頃合いで中古で買うのが関の山だ。

それに対して

「円盤の値段を安くしてみてはどうだろうか?」

という提案がしばしば行われる。
しかし、私はこの提案には正直懐疑的だ。
まぁ、散々色んな人が言っているので今更な話ではあるがどうせ買わないだろうという反論が来るのだ。
それに対して円盤をもともと買っている人やあるいはオタクはそういうことには熱心なんだと思っている人はしばしば反論をして大抵この話は終わる。

さて、私はこの提案に懐疑的だと言った。
しかし、その一方でオタク層はそういったコレクションをするのにお金をかける層は結構いて、もう少し値段を下げれば買う人は増えるんじゃないか。
というのは実は私も賛成なのだ。
もっともっと値段を下げれば円盤を買う人は増えて結果的にプラスになるのではないかとすら思っている。

しかしながら、円盤の値段を下げるべきなのでは?と問われた時私は明確に、無理だと答えるだろう。
それはなぜかと問われれば

「アニメオタクの大多数は円盤を買う習慣がない」

と思うからだ。

我々が物を買うには習慣が必要である。

少し例を挙げてみよう。

日本では漫画は非常に人気のあるコンテンツだ。
我々は漫画を買うときに書店に寄って買う。
学校帰りや会社帰りにふらっと寄ることも有るだろうし、目当ての漫画があって最初からそれを買うために書店に行くこともあるだろう。
この漫画を買うという行為は多くの日本人が当たり前のように行っている。
好きな漫画を見繕ってレジに持って行きお金を払い漫画を手に入れる。

このルーチンは半ば漫画を買う層の間では習慣化している。
漫画を買うことに社会的な不利益も少ないし、漫画が「少額である」とわかっているからだ。

しかし、アニメの円盤に対する我々のイメージは全く違う。
非常に「高額」で特定の日にまとめて発売され、買う層はコレクターが多い。
というような認識が存在する。

このアニメの円盤の値段を安くしたからといって我々はいきなり円盤を買うようになるだろうか。
まぁまずならないだろう。

そもそも値段を安く設定したところでまず我々は円盤の値段が安くなったということを知らなければならないわけだ。
つまり円盤の値段が恐ろしく安い!という広告を打つ必要すらでてくる。
円盤を普段買う習慣がない人からすれば円盤の値段が安くなったなどという情報を耳にすることすら難しい。

更に円盤が安くなったとしても普段買う習慣が無い人達がいきなりDVDショップに来て買うなんてことは想像できない。

「うお~!!! 円盤が安くなったぞ!!!!」

等と言っていきなり群がる想像はとてもできない*1

ただ、もし、円盤を安くしたことが大勢に認知されるほどに長期間実施できた場合それは変わる可能性があると思える。
だが、それほど習慣化するまでに一体どれだけの期間がかかるだろうか。
半年? 1年? いや、それ以上だろう。

しかもこのやり方は1作品だけ安くするといった方法をとっても意味が無い。
アニメ作品ほとんど全てを値下げしてアニメとはこれだけ安いんですよという「イメージ」を業界全体に根付かせなければならないのだ。

そんな方法を取れるワケがない。
値下げした円盤を買う習慣が根付く前に赤字だらけの作品が大量発生して業界まるごと潰れるだけだ。
痛みを伴った改革どころではない。死ねと言っているようなものだ。

もし長期間に渡って円盤の値段を下げる方法があるとすれば、別の方法で資金を獲得できることが担保されている場合のみだ。
もし資金を別に獲得できる方法があるのであれば「将来を見越して」特別に安くする。
という方法を取ることは可能かもしれない*2

アニメ業界以外も同じ

この考え方は他の業界にも当てはまるように思える。
例えば映画業界でチケットを安くしたところで急激に映画鑑賞者は増えないだろう。

チケットを安くする

チケットが安くなったことが一般の人に知れわたる

ほんのすこしづつ映画を見る人が増えてくる

映画を見ることが習慣化する

というプロセスが必要になるのだ。
少しづつ、少しづつ増やしていくしか無い。
いきなりお客様を獲得するのはやはり難しい。
そうなった場合習慣化するまでの間の資金をいかに獲得するのかの問題が出てくる。

正直なところギリギリのラインで商売をしている業界が値段を上げた時に再度値段を下げるというのは考えづらい。
超人気コンテンツが資金に余裕があるのであれば「将来を見据えて」値段を安くする、という手法はひょっとしたらギリギリ可能かもしれないが・・・*3

海外へ手を伸ばせるか?

個人的にはやはり別の資金源を入手するしか現状を変える方法はないと思う。

最近はいくつか、海外に資金を求めるニュースが出てくるようになった。
中国の資本によるアニメの制作だ。

スタジオディーンと中国テンセントによる日中合作アニメ「从前有座灵剑山」 日本でも放送予定 : 中国アニメブログ ちゃにめ!
山本幸治氏が新アニメスタジオ「ジェノスタジオ」設立 『虐殺器官』を制作、中国の絵梦との協業も予定


また、クランチロールやNetflixといった配信サイトによる出資も徐々に表に出てき始めている*4

クランチロールと住友商事がアニメ製作投資会社を設立 世界展開視野に委員会出資を目指す
すらるど - 海外の反応 : 世界最大のストリーミング配信会社ネットフリックスのCEO「これからは(日本の?)アニメを作っていく」:海外の反応


ただ、海外に資金を求めすぎた結果以下の様な結果を招くことも考えられる。
現実味を帯びてきた、中国「爆買い」による日本製アニメの「終焉」 - まぐまぐニュース!

つまり、海外資本で作られるのだから我々日本人好みのアニメは作られなくなるかもしれない可能性だ。


とはいえ色んな案件が裏で着々と進んでいるようだ。
我々に視聴者に出来るのはこの辺の動きに「あまり」期待しないで待つしか無いのかもしれない。

了。

*1:言い過ぎかw

*2:とはいえ円盤メディア自体がそろそろ消滅しかねないようなご時勢である。

*3:それでも大きな傷みを伴うと思う。

*4:とはいえnetflixはまだ詳細が明らかになっていない。いわゆるAnimeスタイルのアメリカ産アニメを作る可能性もある。