ぐ~たらオタクの似非考察日記

アニメ・マンガ・ゲーム・ライトノベルについて考察するブログです。

アニメ艦これにおける弓道警察の問題について考える -アニメについてまわる武芸表現の難しさ-

そもそも弓道警察問題とは?

アニメ、艦これにおいて弓を射る時の射法がおかしいため、一部弓道経験者に指摘され、それを見た艦これファンの方々が騒ぐという騒動があった。

 

 

上記のツイートが発端になり今回の騒動が巻き起こった。

もともとは軽い気持ちで弓道の経験からおかしい部分を指摘し、自虐的に自らを弓道警察と呼称していたようだ。

実はこの弓道警察問題*1、およそ1年前のイメージビジュアルの時点で既に騒がれている問題である。

 

以下のまとめサイトを見るとよく分かる。

アニメ艦これの加賀さんは弓を引けるのか検証してみた:わんこーる速報!

 

加賀さんが弓を引く時の射法が狂っているためにこんなもんで弓をひけるわけねぇ!

という指摘のツイートが既に1年前に存在していた。

さらにこのまとめを見ると弓道に関する指摘が山のように出てくる*2

 


【艦これ】弓道部の人たちがアニメ版の加賀さんの弓の構えがおかしいと指摘! | 艦これまとめ魂

 

確かに実際の弓道の構え方と比較するとおかしい場面が存在するようである。

 

この問題は艦これだけなのか?

さて、この弓道警察問題。艦これについてのみ騒がれているように見えるが実はこの手の問題は過去のアニメを検索すると山のように出てくる。

 

 例えば以下のまとめではソードアート・オンラインのキリトの「剣道」に関するおかしさを指摘した部分。

アニメキャラ「私は剣道全国トップクラス!!!」←この設定wwwww:わんこーる速報!

こちらはキリト以外の部分にも話が及んでいる。

アニメキャラ「私は剣道全国トップクラス!」の筈なのに動きが…

 

更にこちらは今放送しているアニメクロスアンジュの茶道シーンにツッコミを入れている。

 

私は当時バンブーブレードソードアート・オンラインなどをリアルタイムで視聴していたが、ここはおかしいという指摘が毎週毎週山のように2chでも指摘されていた。

更に最近ではFateシリーズのアーチャーの弓の構え方問題も議論になる*3

アーチャーの矢のかけ方が左か右かという部分である。大抵この話は「洋弓と和弓は掛け方が違うのでこれで正しい。」という話で決着がつくが。

 

艦これとそのツイート周辺周りだけを追っているとこの武芸のお作法問題を語るには少々的外れの指摘になってしまう。

まず、そもそも武芸をアニメで表現する場合にはほぼ100%物言いがつくという問題*4が存在することを認識してもらいたい。

今回艦これにおいて問題がここまで表面化してしまったのはただ単に艦これ勢がネットと親和性が高くさらに人数が多いため大きく騒がれているにすぎないということである。

 

武芸に関するリアリティライン

なぜ、剣道や弓道、はては茶道においてここまで型や作法が指摘されるかというと、これら武道ではこういった型や作法が非常に重視されており、初心者のころから徹底されて教育されるだめだ。

これら武道を経験していない私でもそういった型や作法を重んじるということに関して知識だけでもある。というくらいには恐らく共通認識として日本人であればなんとなくはわかると思う。もちろん重要度の多寡はあるとは思うが。

 

そのためこれら武芸に関することを表現しようとするとおそろしくリアリティラインの敷居が下がる。ファンタジーであるということを強調した世界であろうと、和弓の形をした弓をいようとした場合その時点でおそらくまったく打ち方が違うという指摘が入る。武芸を実際に修練した方から見るとその部分がもっとも重要であるためにアニメなどの表現から誤解を受けることに若干モヤモヤした気持ちになる人が多いのである。 その部分がアニメにおいてついつい指摘してしまいたくなる理由だろう。

 

その気持はわからなくはない。

この問題は先日話題になったワンピースにおけるオカマ描写や昔まで遡るとちびくろサンボにおける黒人問題にまで辿り着くといえるだろう。

ステレオタイプな描写からくる無知さや誤解からイラッとするというわけである。

 

 ではなぜその指摘にムキになって反論するのか?

 さて、では次に艦これ側つまり指摘される製作者やファンの側について見ていこう。

製作者については、これは指摘されて反論する方や逆に不十分だったとして反省する方もおられるため一概には言えない。

しかしながらこの手の問題を語る際に十分に留意してもらいたいのは指摘する側と指摘される側だけでは済まないということである。

実際にはその作品を見ている人は大勢存在し信者もいればアンチもいる。

ここで問題に成るのは「アンチ」である

おおよそコレまでツイートを見ればわかるが武芸側の指摘はそこまでムキになっているものは少ない。大抵軽い気持ちだったり真摯な気持ちで行っているものも多い。

 

ところが、だ。

問題はその指摘を見るのは信者だけなのか?ということである。つまりアンチ側もその指摘を見ることになる。

この時に発生するのがアンチはこの発言を大いに利用するということである。

つまり武芸の描写がおかしいことをきっかけにして信者批判などに繋げてくるということだ。この問題が非常に厄介で一度指摘部分を見つけてしまうとあっという間にそれを利用して馬鹿にし始めるという流れができる。

 

「この部分がおかしい。作者は全く調べていない」

「こんな設定ガバガバの作品を見てる奴はカスだ」

弓道に失礼だ。こんな作品を見ている奴は頭がオカシイ」

 

ここで問題になるのは最初は指摘する側と指摘される側にすぎないのだが時を経ると指摘される側とアンチになるのである。

ここのすり替わりが恐ろしく流動的に行われるため指摘される側も誰がアンチで誰が違うのかという部分が曖昧になり周辺に攻撃的になるという流れができる上がる。

 

この問題をどうすべきか?

最も簡単な方法は弓道や剣道をそもそも描かないということである。

ただしこれでは根本的な解決にならない。そもそも現代劇を描く際に弓道や剣道、茶道などこれらの武芸を全く描かないのは制約が大きすぎる。

ベストな回答はきっちり調べて反映する。ということになるだろうか。

ところがこの問題。深堀りすると一つ大きな問題を抱えている。

 

それは

 

「流派によって作法や型は全く違う」

 

という問題である。

今回の弓道警察問題でも話題に上がったが

 

 上記のツイートでは弓道ではなく弓術目線から再度指摘しなおした画像である。

おおよそ問題はないという指摘だ。

 

更にもはやパロディレベルでアーチェリー勢からの指摘まで入る。

 

個人の観測範囲によってリアリティラインが恐ろしくバラバラにばってしまうということである。

 

以下のサイトでは全日本弓道連盟が刊行している弓道教本という教科書のような本を刊行しているのが解る。この書籍に射法の基本が記述してある。

http://kyudo.jp/contents/code/info6

更に以下では射法の基本も解説している。

http://kyudo.jp/contents/code/ab3

これが弓道では基本形に成るようだが弓術になるとまったく変わり更にその弓術の中でも流派によって構え方が違う。剣術にも大量の流派があるなどということはもはや言うまでもない。

つまり統一した見解が全く存在しない。

これはアニメ内における方言問題*5にも通じる。

しばしばアニメで方言が違う。ということを指摘されるが

 

「この大阪弁違いすぎて糞」

大阪弁大阪弁でも河内弁だよ」とか

「いや、河内弁はこうだ」

「河内弁には中・北河内方言と南河内方言があって声優の方は南河内方言だよ」

 

など言い争いになる。指摘する側も観測範囲が狭い上に知識もないのではっきりいってもはや滅茶苦茶である。

 

 この問題について適切に対処するのであれば、ファンの側は徹底的に調べまくり全ての指摘に逆に指摘し返すくらいしか方法が思いつかない。実際には指摘する側はそこまで重く考えていないので他流派まで指摘されるとどうしようもなくなるからだ。

ファンタジー世界であることを強調しても武芸側の違和感は拭えないようであるし正直解決策はないだろう。

 

無視しあうのが穏便ではあるがそんなにうまくは回らないのが世の中の常である。

なんか解決策全く思いつかなかったので適当にお茶を濁して終わり。

以上!

*1:寿司ポリスにかけた造語だろうか?

*2:ただし、こちらは艦これまとめサイトなので偏っている可能性は考慮しておいたほうが良い。

*3:ただしこれは滅茶苦茶昔からあった気がする。以前同じ話を聞いた記憶がある

*4:あえて問題という

*5:勝手に俺がつけた